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Tang, J.*; Seo, O.*; Rivera Rocabado, D. S.*; 小板谷 貴典*; 山本 達*; 難波 優輔*; Song, C.*; Kim, J.*; 吉越 章隆; 古山 通久*; et al.
Applied Surface Science, 587, p.152797_1 - 152797_8, 2022/06
被引用回数:7 パーセンタイル:75.56(Chemistry, Physical)水素貯蔵材料として重要な立方体形状Pdナノ粒子の水素吸収と拡散メカニズムをX線光電子分光とDFT計算を用いて調べた。表面領域では粒子の大きさによらず、ほぼ同様の水素吸収挙動を示した。四面体サイトよりも八面体サイトの水素占有率が大きいことがわかった。表面の乱れによってPd-H結合が弱くなるため、小さいサイズのPdナノ粒子に吸収された水素原子は、より活発に粒子内部に拡散することが分かった。これが低水素圧での水素吸着に重要な役割を果たしている。
藤田 善貴; 新関 智丈*; 福光 延吉*; 有賀 克彦*; 山内 悠輔*; Malgras, V.*; Kaneti, Y. V.*; Liu, C.-H.*; 籏野 健太郎*; 末松 久幸*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 95(1), p.129 - 137, 2022/01
被引用回数:8 パーセンタイル:74.08(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、異なるpHの様々なモリブデン酸イオン種を含む溶液に浸したアルミナの各種表面分析(FTIR, XPS,ラマン分光法)により、アルミナへのモリブデン酸イオンの吸着メカニズムを考察した。得られた結果は、モリブデン酸イオンを含む酸性溶液にアルミナを浸すと、表面に存在するヒドロキシル基が除去されて正に帯電したサイトが生成され、モリブデン酸イオン(MoOまたはAlMoOH)が静電相互作用によって吸着されることを示した。アルミナは酸性溶液にわずかに溶解してAlMoOHを形成し、これはMoOよりも容易に脱離する。さらに、アルミナ表面を多くの-OH基で濃縮し、Mo溶液を最適化してアルミナへMoOとしてモリブデン酸イオンを吸着させることで、アルミナのMo吸着および脱離特性を向上できる可能性が示唆された。これらの発見は、医療用放射性同位体(Mo/Tc)ジェネレータ用の、より効率的で安定したアルミナベースのMo吸着剤の開発に貢献できる。
鈴木 智也*; 成田 弘一*; 尾形 剛志*; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 26(1), p.11 - 19, 2019/06
被引用回数:3 パーセンタイル:13.73(Chemistry, Multidisciplinary)-トリメチルグリシン官能基を持つスチレンジビニルベンゼンポリマー(AMP03)を用いて、硝酸溶液からの2価のパラジウムイオン(Pd(II))の吸着試験を実施した。さらに、FT-IR、及びEXAFSによって、官能基のPd(II)に対する吸着のメカニズムを明らかにした。
田中 忠夫; 向井 雅之; 中山 真一
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
再処理施設等から発生するTRU廃棄物のうち、アルファ核種濃度が低い廃棄物の相当量は浅地中処分が対象となる。TRU核種は浅地中環境で種々の化学形態をとるばかりではなく、土壌や岩石との相互作用も複数のメカニズムが関与しているとされている。このようなTRU核種の移行現象は、固液間相互作用として従来から用いられている単一の分配係数を用いるモデルでは十分に説明できない。本研究では、種々の土壌を対象としてネプツニウムの移行挙動をカラム実験で調べ、さらにカラム内移行メカニズム及び収着メカニズムを検討した。実験結果に基づき、移行現象を説明するための現象解析モデルを提案し、その適用性を検証した。
山口 徹治
電気評論, 89(8), p.49 - 54, 2004/08
放射性廃棄物地層処分の安全評価では、深地下に埋設した容器から、万一放射性物質が地下水中に溶け出すことを想定し、それでも人間の健康に重大な害を及ぼさないことを科学的知見に基づいて示すことで、処分の安全性を示すことが指向される(地下水シナリオ)。そこで、廃棄物に含まれる放射性核種の深地層中における長期間にわたる移行を予測することが必要になる。その予測を信頼性のあるものとするために、深地層中における放射性核種の移行のメカニズムの理解が求められる。本稿は、その移行メカニズムについて、これまでにわかったことと、これから解明されていくべきことを解説するものである。
稲垣 八穂広*; 三ツ井 誠一郎*; 牧野 仁史*; 石黒 勝彦*; 亀井 玄人*; 河村 和廣*; 前田 敏克; 上野 健一*; 馬場 恒孝*; 油井 三和*
原子力バックエンド研究, 10(1-2), p.69 - 84, 2004/03
地層処分における高レベルガラス固化体の性能評価の現状について総説した。ガラス固化体の水への溶解及び核種浸出に関する現象理解は過去20-30年で大きく進展し、現時点で保守的な性能評価は可能であると考えられる。しかしながら、評価の信頼性向上の観点からは、長期の処分期間におけるガラス溶解反応メカニズムや各国で異なる実際の処分環境の影響についての基礎科学的理解をさらに深めるとともに、それらの成果を十分に反映した性能評価モデルの構築が望まれる。これら基礎研究の進展は処分システム全体の性能評価の信頼性向上、さらには処分システムの合理性や経済性の向上にも寄与できるものと期待される。我が国におけるガラス固化体の性能評価研究は、米国,フランス等における多角的な研究と比較して十分なものとは言えず、さらなる拡充が望まれる。
文沢 元雄; 亀田 晃之*; 中川 隆志*; Wu, W.*; 吉川 榮和*
Nuclear Technology, 141(1), p.78 - 87, 2003/01
被引用回数:5 パーセンタイル:36.77(Nuclear Science & Technology)原子炉運転制御盤の操作性の改善を図るため、運転員の行動様式に着目した、客観的データを検討することは重要である。原子炉運転員のヒューマンエラーを左右する主要なファクター(客観的データ)の1つにワークロードがある。ワークロードは運転員の身体的,精神的な負担の指標であり、本研究ではワークロードとして、移動距離,タスク実行時間,記憶量などを扱う。ワークロードの低減を図るには、原子炉制御盤(Human Machine Interfaces: HMI)を操作する運転員のワークロードを定量的並びに正確に評価する必要がある。本研究では、複数運転員(運転クルー)が操作する原子炉プラントのHMI設計を対象に、反復設計を効率的に実施するための計算機システム,SEAMAID(Simulation-based Evaluation and Analysis support system for MAn-machine Interface Design)を開発した。すなわち、HMI設計をワークロードという指標により評価するためのシステム開発を行った。併せて、CRT(記録計の監視可能なモニター)を旧来の制御盤に導入することで、運転員のワークロード(移動距離,視点移動距離など)がどの程度低減できる制御盤設計が可能であるかを検討した。
内田 雅大; 吉野 尚人
JNC TN8410 2001-016, 36 Pages, 2001/05
本技術報告は、東海事業所地層処分基盤研究施設に設置してある亀裂状媒体水理試験設備(LABROCK)において、原位置と同じ垂直荷重状態とするために原位置での透水試験を行った天然岩体の採取状態についてまとめたものである。なお、本資料は、平成5年10月に動力炉・核燃料開発事業団によって取りまとめられたものである。
内田 雅大; 吉野 尚人
JNC TN8410 2001-015, 35 Pages, 2001/05
本技術報告は、東海事業所地層処分基盤研究施設に設置してある亀裂状媒体水理試験設備(LABROCK)において使用する釜石原位置試験場天然岩体の切り出し、整形についてまとめたものである。なお、本資料は、平成5年3月に動力炉・核燃料開発事業団によって取りまとめられたものである。
田中 忠夫; 小川 弘道; 村岡 進
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.663, p.1169 - 1177, 2001/00
海岸砂質土壌及び赤色土中におけるAm(III)の移行挙動をカラム実験によって調べた。可逆的なイオン交換吸着が支配的な赤色土中におけるAmの移行挙動は、分配係数の概念を吸着モデルとして評価できた。一方、非陽イオン性Am化学種の形成や非可逆的な吸着が認められた海岸砂質土壌中におけるAmの移行挙動は、分配係数では解釈できず、粒子状Amのろ過に基づく吸着モデルで説明できることを明らかにした。
加藤 章一; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-042, 112 Pages, 2000/03
FBR蒸気発生器の伝熱管破損に起因する隣接伝熱管への破損メカニズムのひとつとして、ナトリウム-水反応により急速に伝熱管壁が加熱され破断に至るいわゆる高温ラプチャ現象が考えられる。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼に関する高温ラプチャ評価の基礎データとして反映するため、超高温領域における引張及びクリープ試験を実施した。引張試験におけるひずみ速度は10%/min10%/sec、クリープ破断時間は最長277secである。また、試験温度は7001300である。本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)改良9Cr-1Mo鋼について、ひずみ速度と引張強度との関係及び数分以内の極端時間のクリープ破断強度に関する評価データを取得した。(2)上記取得データに基づき、Mod.9Cr-1Mo鋼伝熱管の構造健全性評価に必要なクリープ破断式を提案した。(3)改良9Cr-1Mo鋼の超高温域における引張強度及びクリープ強度は、「もんじゅ」伝熱管材料の2・1/4Cr-1Mo鋼よりも高い値を示し、優れた強度特性を有していることがわかった。
田中 忠夫; 小川 弘道
Proceedings of the International Workshop on Distribution and Speciation of Radionuclides in the Environment, p.278 - 284, 2000/00
土壌や岩石に吸着したAmの存在形態の時間に伴う変遷について検討するため、0.25~1300hの間で下北地方の段立堆積層(凝灰質砂,凝灰岩,岩石)に吸着されたAmをCa+K水溶液(A液)及びNHOH・HCL+KCO水溶液(B液)で逐次抽出し、その割合からAmの存在形態の変化を推察した。堆積物試料に対するAmの吸着は、1h以内で平衡吸着量の90%以上に達する速い反応であることがわかった。また、0.25~1300hの吸着時間では、A液で抽出されるイオン交換的に吸着したAm,B液で抽出されるFeやMnの水酸化物等と結合したAm及び未抽出のAmの割合の変化は小さく、Amの存在形態の大きな変化はみられなかった。これらの結果から、Amの存在形態は、時間の経過に伴って徐々に変化するのではなく、並行して進行する複数の吸着メカニズムによって支配されていることが明らかになった。
杉野 弘幸; 菅野 毅*
JNC TN8400 99-040, 75 Pages, 1999/11
これまでにサイクル機構では高レベル廃棄物の地層処分研究の一環として、人工バリアとして用いられる緩衝材の岩盤内への流出、侵食挙動に関して研究を進めてきた。平成9年には地層処分基盤研究施設(エントリー)の緩衝材流出挙動試験設備を用いて実施した緩衝材の流出挙動に関する試験に関して報告をまとめている。本書はその後、第2次取りまとめに向けて、緩衝材の流出挙動を解析的に評価した試みを報告したものである。緩衝材の流出挙動は、中野ら(1982)、Pusch(1983)、Kanno and Wakamatsu(1991)、Borgessonら、Ahn(1999)らなどにより研究が為されている。本報告ではこれらの研究をもとに緩衝材の流出挙動に対するメカニズムのモデル化を検討し、緩衝材の流出挙動を拡散モデルと、さらに緩衝材の粘性係数を仮定し、その効果を考慮したモデルを採用することにより、緩衝材の流出挙動の亀裂幅に対する依存性を解析的に表現した。また、その結果を用いて、第2次取りまとめで想定した人工バリアに対して長期にわたる緩衝材の流出に起因する密度変化を解析的に予測することを試みた。
佐藤 圭*; 若林 成二*; 松原 孝*; 杉浦 円*; 綱島 滋*; 黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Chemical Physics, 242(1), p.1 - 10, 1999/00
被引用回数:7 パーセンタイル:22.54(Chemistry, Physical)CH+HS,CD+HS,CH+DS及びCD+DS反応の295Kでの反応速度定数をレーザー誘起けい光法を用いて測定した。同位体効果はたいへん小さいことがわかった。反応のメカニズムを高いレベルの分子軌道計算結果から検討した。その結果CHラジカルはHS中のS原子にバリヤーなしで付加するのが初期過程であることがわかり、実験結果を強く裏付けるものであった。またRRKM計算により、生成物の分岐比についても検討した。
田中 忠夫; 村岡 進
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 240(1), p.177 - 182, 1999/00
被引用回数:12 パーセンタイル:66.07(Chemistry, Analytical)地層中におけるTRU核種の移行挙動を評価するため、海岸砂、クロボク土、凝灰岩などの堆積物中におけるNp,Pu,及びAmの吸着メカニズムについて調べた。堆積物試料に対するこれら核種の分配係数を測定するための吸着実験及び収着メカニズムを解明するための収着核種の逐次抽出実験を行った。Npの分配係数はPu及びAmに比べ2桁大きな値であった。収着したNpのほとんどはCaCl水溶液で抽出され、収着は可逆的なイオン交換によって支配されていることがわかった。Pu及びAmはNHOH-HCl及びK-oxalate水溶液によっておもに抽出され、これら各種の収着は、鉄やマンガンの酸化物との化学結合による非可逆的な反応に支配されていた。これらの結果から、地層中におけるNpの移行は分配係数を用いて予測可能であるが、Pu及びAmの移行は分配係数からの予測に比べ、堆積物による大きな遅延を受けることが期待される。
田中 忠夫; 武部 愼一; 小川 弘道; 村岡 進
JAERI-Research 98-018, 20 Pages, 1998/03
六ヶ所村の段丘堆積層から採取した凝灰質砂、砂岩、凝灰岩を対象として、Np(V)及びAm(III)の吸着及び脱離実験を実施し、分配係数を測定するとともに吸着メカニズムについて検討した。Npの分配係数は、pHが高くなるに従って増大する傾向を示したが、共存するNa及びCaイオン濃度の影響はみられなかった。Npの試料への吸着は主として可逆的な吸着メカニズムに支配されているため、Npの移行挙動は分配係数を適用した吸着モデルで予測可能であることを示した。Amの分配係数は、pH7~8で最大となった。また、Na及びCaイオン濃度が高くなるに従って減少した。Amの吸着は非可逆的な吸着メカニズムが支配的であり、Amの移行挙動を高い精度で予測するためには、非可逆的な反応を考慮した吸着モデルの適用が必要であることが示唆された。
田中 忠夫; 小川 弘道
JAERI-Conf 99-004, p.654 - 661, 1998/03
海岸砂及び赤色土を対象としてAm(III)の移行挙動をカラム実験で調べるとともに、土壌に吸着したAmの吸着移行メカニズムを抽出法により検討した。カラムに注入したAmのほとんどは注入端に吸着された。しかし海岸砂カラムからの流出液中にはAmが流出初期から検出され、水とほぼ同じ速度で間隙中を移行するコロイド状化学種の存在が認められた。この移行挙動は、陽イオン性及びコロイド状Amに異なる2つの分配係数を与える吸着移行モデルで評価できることを示した。また、赤色土に対するAmの吸着は可逆的であり分配係数で評価できるが、海岸砂では非可逆的に結合している割合が高く、分配係数から予想されるより大きな遅延を受けることが考えられる。
今井 久*; 西田 薫*; 蓑 由紀夫*; 雨宮 清*; 林 為人*
PNC TJ1449 98-004, 231 Pages, 1998/02
岩盤内に空洞を掘削した場合、その周辺岩盤には不飽和領域が発生すると考えられる。この不飽和領域では、酸素を含んだ空気の浸入により岩盤の酸化還元状態が変北し、これに伴い岩盤中の物質移行特牲が変化することが考えられる。しかし、現段階ではこの不飽和領域の範囲を定量的に把握する手法は確立されていない。本研究は、今後数年のうちに岩盤中の不飽和領域をある程度定量的に把握できる計測手法を開発することを最終目標としている。今年度は(1)不飽和領域のメカニズムに関する基礎研究、(2)不飽和領域の計測手法に関する基礎研究に関して、岩石試料を用いた室内実験及び原位置において孔間レーダを用いた予備検討的な計測を行った他、TDRプローブの設置と計測を行って、基礎的な知見を得た。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 佐藤 圭*; 綱島 滋*
Journal of Physical Chemistry A, 102(50), p.10391 - 10398, 1998/00
被引用回数:29 パーセンタイル:66.76(Chemistry, Physical)N(D)原子とエチレンとの反応についてのポテンシャルエネルギー曲面の分子軌道計算を行った。反応メカニズムとしてCH結合へ挿入するよりもCCの結合へ付加する過程が優先的に起こることが予想された。また反応経路についての詳しい計算を行い、この反応がかなり複雑な経路をもつことを見い出した。反応の生成物を予測するためにRRKM計算を行い、cyclic-CH(N)CH+Hが主生成物であることがわかった。
福田 卓*; 長崎 晋也*; 颯田 秀雄*; 田中 知*; 鈴木 篤之*; 田中 忠夫; 村岡 進
Radiochimica Acta, 82, p.239 - 242, 1998/00
酸化還元に敏感なTRU核種の地層構造物質への吸着脱離挙動を調べるため、鉱物の主要な構成成分であるMnO,FeOOH及びAlOを対象として、酸化還元に敏感なTRU核種模擬元素:Ce(III)及び安定な元素:Nd(III),Eu(III)のバッチ法による吸着実験及び脱離実験をpH条件を変化させて実施した。吸着実験において、MnOに対するCeの吸着率は、Ce-FeOOH系、Ce-AlO系、Nd-MnO系及びEu-MnO系に比較して大きく、Ce(III)からMn(IV)への電子移動を伴うCeの酸化物反応が関与している可能性を示した。脱離実験の結果、一部のCeはMnO粒子と結合した形態で脱離する過程を含むことを見いだした。これらの結果をもとに、MnO界面におけるCeの吸着メカニズムと酸化還元のメカニズムについて検討した。